発達障害児の支援に詳しい言語聴覚士のブログ

まずは自己紹介

私は言語聴覚士(以下、ST)として現役で活躍している30代後半男性です。

総合病院で勤務後に、訪問リハビリに転職。

そこで5年間、成人から小児までのリハビリを幅広く担当しています。

関東のはずれですが、小児領域まで網羅できるSTは珍しいらしく、依頼が殺到、現在まで100名弱のご利用者様のリハビリに関わってきました。

私自身、成人の特に高次脳機能についてのリハビリが専門でありましたが、あまりの需要に個人的に講習会参加や関連本、論文を読み漁るなど自己研鑽を重ねて、数多くのお子様、そして養育者の方々の信頼を勝ち得て、現在もキャンセル待ち多数の状況です。

この経験を同業種、もしくは悩んでいらっしゃる養育者の方々のお役に少しでも立てればと思いブログの開設を決意しました。

その上で私がまず声を大にして言いたいことが、

小児領域のSTは圧倒的に不足しいている!!

ということです。

よく聞くお話なのですが、地域に小児STリハビリを行っている病院は2~3しかありません。しかも、それらの病院に希望者が殺到するため、予約は取りづらく、取れたとしても月に1回、または不規則なスケジュールとなることが多いです。

 

まず大事なことは、私はリハビリはサービス業の一種と考えています。

もちろん、医療職としということは分かっていますが、ここで言いたいことは顧客満足度を重視する、つまりは結果にコミット(ライ〇ップか!?)してこその職業ということです。

現在、小児領域のSTは需要と供給のバランスが適正ではありません。

するとどうなるか。。。

そうです、サービスが受けられないばかりか、適正な競争環境が生まれないためにサービスの質も向上しないのです。

私は地域でも有名なSTである自負がありますし、他事業所のSTもよく知っています。

しかし、彼らは私と同じ質のサービスを提供できていません。

ですので私に依頼が集中するわけです。

これは当たり前のことですよね。

なんだ、ただの自慢かよ、と思ったそこのあなた、ちょっとお待ちください!!

これは自慢ではなく、事実に基づいていることです。

彼らと私に何の違いがあるのか。

以下に2点列挙します。

 

①そもそもSTとしての自覚

私は国立大学大学院で生物系の修士号を獲得しました。

その後、興味があってST養成校にて勉強して国家試験に合格しました。

はっきり言ってSTの勉強はさほど難しいものではありませんでした。

国立大入試レベルを突破した方々であればよほどさぼらなければ国家試験も突破できるでしょう。

その中でまず感じたことは、専門校教員の質の低さでした。

STといって領域が多数あります。

成人、小児、その中でも高脳機能障害、嚥下、難聴など。

教員達は自分の得意な領域では饒舌ですが、すこし分野がはずれると「それは私にはわからない、経験ないから。。。」と恥ずかしげもなく言うのでした。

例えば、道端に老人が苦しそうに倒れているとします。そこに通りかかった医師が「私は小児科医だから老人のことはよく分からないから専門医を呼んでくれ」などと言うでしょうか!?

医師であるなら、一通りの研修を終えているわけですがその場で適切な処置を施し、必要な救急要請をできるはずです。

それがSTでは、成人だから、小児だから、などと馬鹿な言い訳が通じるのはどういうことでしょう。

国家試験には成人から小児まで幅広い分野が出題されます。

ですので、試験を突破したSTは全領域をある一定の担保された質のサービスを提供できなければおかしいのです。

興味がある、ない、はもちろんあるでしょう。

しかしながら、私たちは需要を敏感に感じ取って、その需要にこたえるべく日々研鑽を積み、そのアウトプットを国民に還元すべく国家試験を突破したはずです。

ならば現在、成人に比べて小児のSTが不足している現象は嘆かわしいものがあります。

長くなりましたが、社会に求められているSTとしては自覚があれば分野は抜きにして、どんな依頼にもある一定の満足度が得られるサービスを提供できるはずです。

適当にその場しのぎでやっているから身につかないんですよね?。

②圧倒的病院主義

STはまずたいていは病院に就職します。

これはリスクマネジメントや基礎的なスキル習得には必要なことでしょう。

私も、中核病院で勤務していましたのでわかりますが、

「みてほしいなら病院まで来てください」

ってのが基本的なスタンスです。

でも、例えば仕事している場合、はたまた子供が2人、3人いる場合なんて1人の子供を平日の言われた時間に連れていくことなんでほぼ不可能じゃないですか?

土日やってるとこもありますが、当然予約開始で即満員、みたいなジャニーズのコンサートみたいな事態になるわけです。

私は訪問であっても病院と同じ、もしくは負けない質のサービスを提供できている自信があります。

病院でないとできないリハビリって何ですか?理学療法士のように大きな機器を使うわけじゃない。

日常生活場面では注意がそれる物がいっぱいある?

いえいえ、養育者の方に相談すれば一室を病院のST室よりもさらに集中できる立派なST室に仕立て上げてくれます。空き部屋がなくとも、仕切りをする、時間でものを移動する、などいくらでも環境調整は可能です。ひいては日常生活に近い環境でリハビリしたほうがリハビリ効果が汎化しやすいのは言うまでもありません。

ゆえに、STが病院にとどまる理由ってないんですよね。

これは理学、作業療法士さんにも言えることですが。

私はご自宅を訪問したときは養育者の方はリハビリを見学してもいいし、むしろ参加してもいい。もちろん家事をやってもいいですよ。と言います。

そうすると徐々に養育者の方はリハビリ時間を有効活用して食器を洗ったり、晩御飯の仕込みをしたりと有意義に時間を使ってくれるようになります。

ご兄弟がいらっしゃる場合は、そのお子様といっぱい遊んであげるようにアドバイスしたりもします。

どうしても、発達障害と診断されるお子様は手がかかりますので、ご兄弟がほっとかれるパターンがあります。その気がなくてもかかわっている時間は相対的に少なくなってしまうでしょう。そうなると、例えば弟様が寂しい思いとしたり、兄または姉に対してネガティブな感情も持ったりすることもあるので、その防止にもつながります。

あと、私が病院と訪問で感じた一番大きなことは、養育者の方々の意見をきけるようになったということです。

なんとなく病院だと話しづらいことありませんか?

それが自宅に来て何回か世間話しているうちに、ふととても悩んでいることを相談してもらえたりするんです。

そうなったら私は信頼関係が築けたな、と安心します。

「なにかありますか?」、そう問いかけたときに、「何もありません」、という返答に安心するのではなく、相談してもらえる関係にまだなっていないと反省しなければなりません。

ほんの些細なことでも、いっぱい、いっぱい悩みを養育者の方は抱えています。

ほんとのリハビリはお子様だけでなく養育者ひいてはご家族みんなを対象とするものがということを忘れないでください。

お子様だけにしか関われていないようではまだまだです。

 

ちょっと長くなってしまいましたが、自己紹介がれたの記事はここまでとしてます。

 

次回からは、発達障害の概論、そして個別に想定される支援などなど。

具体的なお話を進めていきたいと思います。

 

何か質問があれば返答いたします。

 

あとは、言語聴覚士の学生のための国家試験解説もしてく予定です。

 

それでは皆様、日常をよりよい日常にするために日々研鑽しましょう。

 

また明日!