発達障害について

発達障害について

 

こんにちわ。

今日は発達障害についての概要をさらっと説明したいと思います。

以下に説明の流れを記載します。

 

①定義

②分類

③それぞれの特徴をさらっと説明

 

では、まいります。

 

①定義

定義も様々なものがあります。

その中で主要なものを。

まずは日本における行政的な定義です。

 

わが国では知的障害者福祉法(昭和35年4月施行)により知的障害が公的支援の対象として明記された。「知的障害を伴わない発達障害」に対しては、発達障害者支援法(平成17年4月施行)が「自閉症アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害学習障害、注意欠如多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるもの」を発達障害と定義して公的支援に法的根拠を与えた。福祉や教育では、発達障害者支援法の条文をもって発達障害の定義とする立場がある(知的障害のみでは発達障害とみなさない立場)。医療では知的障害も発達障害と捉えることが一般的であり、福祉・教育と医療との行き違いの一因となっている。

 

ということです。

なんだかよく分かりませんよね。

つまりは発達障害者支援法に記載のある、

上記が通常低年齢において発現するもの、というものが定義です。

それに加えて、すでに知的障害者福祉法にてフォローされている、知的障害を加える考えが一般的です。

まあ、現時点で法律でしっかりフォローが担保されている障害名が行政的な定義となるわけです。そのフォローが十分か不十分かはここでは論点ではありません。

 

つぎにDSM-5における定義です。

DSM-5とは

精神疾患の診断・統計マニュアル:アメリカ精神医学会版(2013)」

のことです。

まあ、ようはアメリカ精神医学会が作成した診断マニュアルのことです。

精神科医はこのマニュアルにしたがって診断をするわけです。

ちょっと待って、ここ日本なのになんでアメリカのマニュアルに従うの?

日本の精神科医は何してるの?

なんでもアメリカ追従なんでダメ!

とか思う人がいるかもしれません。(いないかな。。。)

精神科領域でトップはアメリカです。

そのアメリカの診断基準が世界の診断基準になるのはもはや当たり前なのです。

むしろ、今回DSM-5は日本が頑張っていち早く翻訳して現場に落とし込むことができたので褒められるべきなのです!!

と、脱線しましたが、DSM-5が最新かつ最適な診断基準であります。

ちなみにDSM-4と5ではかなり改訂があるので最新の5を信じましょう。というか覚えましょう。

 

DSM-5は神経発達障害を以下のように解説している。

 

1.発達期に起源をもつ病態群であり、この障害は通常発達期早期(多くは就学前)に顕在化する。

 

2.この障害は、個人としての機能・社会的な機能・学業あるいは職業機能に障害を生じるような、発達的欠如(developmental deficits)で特徴づけられる。

 

1.は、日本の行政的な定義でも、通常低年齢で発現するもの、という記載がありますよね。同じ意味です。いわゆる、教育など環境要因によらないもの、って意味合いです。

2.は、つまりは特性で片付けられるような程度ではなく、生活していく上で何らかの困難さを生じる程度じゃないと障害とは呼べませんよ、という意味です。

まあ当たり前ですよね。身近に結構ずぼらな人はたくさんいますが、普通に会社員できているのにその人たちみんな発達障害って診断しちゃったらものすごい数になっちゃいますよね。

 

いずれにしろ大事な点は以下の2点です。

  1. 小さいときに発現する
  2. 社会生活の中で独力だけでは極めて困難さを生じる恐れがある
  3. 何らかの神経系の発達障害に起因すると想定される

3は足しましたが、そうしないと染色体異常など他の神経発達障害を含んでしまうからです。当然ですがダウン症候群などは発達障害ではありませんからね。

 

さて次にいきます。

 

②分類

これはDSM-5の分類を覚えてください。DSMこそが正義なのです(?)。

下記の7分類です。

 

  1. 知的能力障害群
  2. コミュニケーション症群 / コミュニケーション障害群
  3. 自閉スペクトラム症 / 自閉症スペクトラム障害・注意欠如
  4. 多動症 / 注意欠如・多動性障害
  5. 限局性学習症 / 限局性学習障害
  6. 運動症群 / 運動障害群
  7. 他の神経発達症群 / 他の神経発達障害

 

では詳しく見ていきましょう。

 

1.知的能力障害群(ID)

知的発達の全般的な遅れを示す群であり、昔は精神発達遅滞なんて呼ばれてました。

IQ70以下という目安がありますが、DSM-5では知的指数よりも臨床的評価が優先されます。ようは、学校の先生がテストの点数ではなく学校での様子全体を観察して評価する、っていうイメージに近いですかね。(遠いか?)

とはいえ、日本では田中ビネーやウェクスラー式知能検査などの結果をもとに診断されることが多いですね。というか、検査自体は臨床心理士がやることが多いので臨床心理士の検査結果で診断されちゃっているのが日本の現状です。

教育行政もIQだけとはいいませんが、かなりIQを重要視して通常級、情緒級、知的級などのクラス分けを行っていますね。本来はその子本来の力を総合的にみた上で判断するのがベストなのですが、なかなか定性的評価というものは難しいものです。

検査も標準化されてはいますが、お子様の機嫌や調子、さらには検査者のスキルによってもだいぶばらつくので、一回だけの検査で断定するのはかなり危険だと個人的には思います。とは言え、たとえばウェクスラー式では学習効果があるので、検査間は2年程度あけないといけないとされているので、そんなに何回も簡単にやっていい検査ではありません。

そろそろこの子ならやってもいいかな?っていう適切な時期に、そのお子様と波長が合う臨床心理士さんにとってもらうのがベストです。適切な時期を判断するのが医師の役目です。なんでもかんでもすぐに検査やれやれ言う意思は信用しないほうがいいでしょう。

もちろん、お子様の特性を判断する材料にはなるのですが、上述した通り、あまりに調子が悪い時期に新人の心理士さんに手際悪く検査されて日には悲劇です。

結果は結果なので、その結果が残りますし、行政はその結果だけでその子のことを判断してしまうかもしれません。

検査をやるにも、時期と必要性、そして結果をどう今後生かしていくか、というプランがあってこそやるべき検査なのです。

 

2.コミュニケーション障害群(CD)

大きく分けて、

  • 言語症
  • 語音症
  • 小児期発症性流暢症

に分けられます。

 

①言語症

いわゆる年齢の割に言語能力の発達が遅くてちょっと困るね、っていう状態です。言語能力とは、理解、話す、語彙、構文などなどです。

当然ですが、知的障害や聴力障害は除外します。

ですので、専門病院ではまず聴力検査をしますし、知的障害を除外診断するために知的検査をします。この検査は診断のために必要な検査なので目的が明らかな検査なのでOKです。まあ、ベテランの医師であれば問診など臨床的所見でだいたい診断できちゃいますが。

 

②語音症

正しい発音ができない。いわゆる構音障害と呼ばれるものです。

定型発達では発音は5歳ぐらいまでに定まります。

ですので小学校入学前でもいわゆつ赤ちゃん言葉だったり、サ行がタ行に置き換わったり、という状態です。

舌の形が変わっているなど器質的な原因や聴覚障害が原因の場合は語音症ではありません。

STのリハビリ依頼が多く、私自身、何人も担当させていただきました。

他の発達障害と合併している場合は少し苦労しますが、純粋な語音症であれば治すのはさほど難しくありません。

気になるお子様はすぐにSTに相談しましょう。

あと気を付けたいのは3歳なのに発音がおかしいからってST相談される場合がありますが、それはあまり意味ないです。

上述した通り、発音の発達はばらつきが大きく、5歳頃になるとだいぶ変わってきます。

また、発音練習は5歳相当の発達年齢が必要とされているので、5歳にならないと練習をすること自体が難しいです。

注意したいのは、口を閉じることができない、舌を前に出せない、など筋力が不足しているお子様はその限りではありません。

いわゆる口元が少しゆるい状態なので、専門家に相談して口腔筋機能療法(MFT)いわゆる口まわりの筋トレを早く始めたほうが、早く良くなります。最近は歯科も力を入れているので、気になる場合は相談してもいいかもしれません。食べこぼしが多いとか、ぼーっとしてる時に口が開いて、舌が出てるとかそんなお子様です。4歳ぐらいから練習してもいいんじゃないでしょうか。

私も何個かお子様向けの練習を考案しましたし、専門家であれば飽きずに楽しみながらできる練習を知っています。

 

脱線しました。

 

③小児期発症流暢症

いわゆる吃音ですね。

発達の途中で一過性に現れる場合もものすごく多いので過度に気にすることはNGです。少し気になったからといって、お子様に都度注意しては余計ひどくなったり、最悪話すのを嫌がるお子様になってしまいます。

まずは専門家に相談してください。吃音は原因がはっきりと証明されておらず、非常に対応が難しい症状です。何らかの脳の機能的原因が推定されてはいますが、心因的な原因もないとはいえず、過度の干渉は逆効果となることは確実です。

まずは専門家に相談、それから長期的なスパンで症状と向き合っていく、というのが現状です。

ただ、私の個人的な印象ですが、吃音の方々は非常に優秀な方々が多く、真面目でやさしい人が多いです。エビデンスのない話ですいません。。。。

 

かなり長文になってしましました。

自閉スペクトラム症は次の記事で説明していきます。

 

それでは失礼します。